突然ですが、いのちのおと、と聞いてどんな音を思い浮かべますか?
私にとっての命の音は 「ぴちぴち」 もっというと、
魚がまな板の上で跳ねる、
鱗(うろこ)が目の前で飛び散る、
あの「ぴっちぴち」の音に私は生命を感じます。
弊所がある東京都中央区築地には、2018年まで東京の台所「築地市場」がありました。
当時の1日あたりの平均取扱高は、水産物だけで1676トン、
額にしておよそ16億1100万円の取引で(「平成27年度版 築地市場概要」)、
魚たちを載せた大きなトラックが、一夜のうちに何百台も市場内を行き交います。
トラックから降ろされた大きなカンパチや鯛が、目の前で何十、何百と締められるのにかかる時間は、
1匹あたりわずか数秒。まさに時間との戦いです。
セリの時間、トラックの出発時間までにと、仕分けされ、締められ、箱詰めされて、また各地へと運ばれて行きます。
夜通し長距離でトラックを運転する人たちがいて、
生きるために、食べるために、生き物の命を奪う人たちがいるからこそ、
私たちの食が支えられていることを思うと、
この場所に、命・食べる・働くーといった人の活動の原点が詰まっているように感じられてなりません。
築地市場の市場機能は2018年10月に豊洲へ移転し、築地市場は閉場しました。
現在は、江東区にある豊洲市場と、中央区に残った築地場外市場が活気を見せています。
弊所は、この「ぴちぴち」を感じる築地に事務所を構えて、2023年12月でまる5年になります。
これからも、働くことを通じた人生の豊かさを追求する事務所でありたいと願っています。