年始のご挨拶 ―人間性を尊重した、新たな組織づくりへの旅―

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Asako Iwano

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
旧年中はひとかたならぬご厚情を頂きありがとうございます。

昨年は、社会保険労務士として「労働社会保険諸法令の専門家」であるだけでなく
「人と組織の専門家」となるべく、様々な視点から人と組織について学びました。

今年の私のテーマは「個性を大事に」「今自分が感じていることに気づく・発する」です。
職場や、大勢の前でうまく自分が出せない人にとって、
人前で「個性を出す」「自分が感じていることに気づく・発する」ことは意外にも難しく、
そもそも、私自身も自分がうまく出せていないと感じることがあります。

私が自分の個性を見つめるうえで、気づきに繋がった問いかけは
「Is this what I live for ?(これは、私の生きがいか?)」というものです。
これは、トム・ニクソン氏の「すべては1人から始まる(原題『Work With Source』)」という書籍で
紹介されている「Very Clear Ideas」という内省ワークの質問の一つで、
私自身が組織の中でもやもやを感じた時や、
自分の人生において「自分が大切にしたいもの・ことは何だろう」と立ち止まるために不可欠な問いでした。

私が生きがいを感じることの一つは「新しい経験ができたとき」です。
本を読むこと、知らない世界に一歩踏みこみ新しい知識を得、新しい仲間を得ること、
その時感じたことを味わうこと、それを周囲の人と共感できたときなどに、
心の底から清々しさと高揚感を感じます。

昨年は、おもにティール組織などの自律分散型組織やコミュニティ経営、
ソースプリンシプルといった、組織づくりの中でも比較的新しい分野について学びを深め、
これを実践する経営者さんのお話を聴く機会にも恵まれました。
今年は、「当然に利益も出しながら、メンバーの人間性を尊重しつつ、
組織の存在目的や、ソースとなる人の想いを実現する」ような組織づくりをお手伝いしたいと思います。

ワークの中の問いをあと一つ。
「Is this what I wish for?(これは私が願うものか?)」
私が願うのは、争いごとや紛争が限りなく少ない世界です。
そのようなニュースを見聞きするたびに自分の無力感を感じてしまいます。

私がサポートできることに立ち戻って考えると、働くことを通じて人々が経済的に豊かになったり、
自分と考え方や価値観の異なる人と摩擦を起こさずうまくやっていく能力を多くの人が身につけたり、
仕事を通じて自己実現できる人を増やすことで、いつしか企業の枠を超えて、
社会を良くする手伝いができるのではないかと考えました。

末筆ではございますが、こちらをもって年始のご挨拶とさせていただきます。
本年も働く皆様やそのご家族がご安全に、健やかにお過ごしになれますようお祈り申し上げます。

勝どき橋の夜明け(2016年 岩野麻子撮影)
勝どき橋の夜明け(2016年 岩野麻子撮影)